【新型コロナ】雇用の安全を守るための対処法について

新型コロナ従業員の雇用確保

この記事は2020年4月23日に執筆しています。

新型コロナで全国的に緊急事態宣言を受け、休業・縮小営業のお店が増えています。

従業員を守るため、社会保障制度をどの様に活用すべきか整理しました。

緊急事態宣言後は連日のように「雇用調整助成金」の相談を受けている当事務所《オススメの制度活用案》をご紹介します。

個別に事情は異なりますので、本記事の内容を参考に、ご不明な点は当事務所までご相談ください。

この記事はこんな考えをお持ちの経営者の方へ向いています

  • 従業員が安心して働ける環境を整えたい
  • 国や自治体の助成金はできるだけ活用したい
  • 可能な限り賃金を保障してあげたい

 

雇用調整助成金の仕組み

まずはじめに「雇用調整助成金」の仕組みについて、要点をいくつかお伝えします。

雇用調整助成金の主な支給条件

  • 休業を実施した場合の「休業手当」を賃金の60%以上支払うこと
  • 新型コロナの影響で、売上が5%以上減少したこと(原則は前年同月比)
  • 申請期限までに届出を行うこと(現在6/30までとされています。)

詳細は厚生労働省の公式サイトもご覧ください。

雇用調整助成金の助成額について

  • 助成率は中小企業へ9/10、大企業へ3/4
  • 助成金額は[今回支払う休業手当の金額×助成率]ではない。
  • 対象労働者1人1日当たり8,330円が上限となる。(令和2年3月1日現在)
  • 支給限度日数がある(1年で100日を原則として、今回は4/1-6/30の期間を追加)

*解雇を伴う場合は、中小企業は4/5、大企業は2/3となる。

助成金額はこちらの計算式となります。

「前年の事業所の平均賃金額」×「今回の休業手当支払い率」×「助成率」=「助成金額」

*正確には更に細かいですが、イメージを持ちやすくするためこのように表現しています。

注意注意すべきポイント
・今の賃金ではなく、前年の賃金で計算される。
・個人ごとではなく、事業所全体の平均で計算される。
・休業手当の支払い率の違いで助成金額も変動する。

雇用調整助成金に関わるお金の流れについて

  1. 事業主から従業員へ先に休業手当を支払う
  2. 雇用調整助成金の申請を行う(6/30まで)
  3. 雇用調整助成金が事業主へ支給される*
  4. 山形県内の事業主には、県が社労士への申請相談に伴う費用の補助を行う

*対象期間1か月ごとに2か月後に支給のサイクルです。

山形県の独自施策

  • 国の「雇用調整助成金」に県が独自で上乗せ支給
  • 社労士への申請相談で発生した経費を県が補助

これにより、山形の中小企業は、実質負担がほぼ無くなる場合もあります。(上限あり)

但し、従業員の方が多いほど、資金繰りや固定費の支出が大変なことには変わりありませんので、ご注意ください。

コロナ対策を講じつつ継続を求められる事業

緊急事態宣言を受け、休業要請を受けた事業もあれば、対策を講じつつ継続を求められる事業があります。

山形県の経営者の方は、下記よりどこに区分されているかご確認いただけます。

お店自体を休業する場合はシンプルですが、対策を講じつつ事業を継続される場合について、考えたいと思います。

雇用を守るために考えるべき6つのケース

従業員の安全と雇用を守るために考えるべき6つのケースと、それぞれにおいて活用すべき社会保障制度をお伝えします。

考えるべき6つのケースは以下の通りです。

▼考えるべきケース

  1. 営業縮小による従業員の休業
  2. 従業員が新型コロナと疑われる症状により休む場合
  3. 従業員が新型コロナの陽性と発覚して休む場合
  4. 従業員が濃厚接触者であることが発覚して休む場合
  5. 同居家族が新型コロナと疑われる症状により休む場合
  6. 小学校等の休業による影響で従業員が休む場合

 

それでは、1つずつ活用すべき社会保障制度を見ていきましょう。

1.営業縮小による従業員の休業

営業縮小による従業員の休業について考えましょう。

大きく下記の2通りが発生しています。

A.新型コロナの影響で客足が遠退いたことによる営業縮小

B.新型コロナの影響で3密を避けるための営業縮小

どちらの場合であっても、平常時は5人で営業しているお店が、2人でよくなり、他の従業員には休んでもらうケースが生じています。

この場合は、従業員の方に休んでもらい「休業手当」をお支払いください。

休業手当の支払い率に比例して「雇用調整助成金」が支給されます。

先だしの資金繰りに目途が立てられる場合は、休業手当を100%お支払いいただくのが理想です。

2.従業員が新型コロナと疑われる症状により休む場合

発熱等の重い症状で勤務できない状態の時は、通常の休み(有給休暇の取得等)と同様に扱います。

重い症状が発生している場合は、本人が就業できない状況であるため、使用者の責に帰すべき事由によらない休業にあたります。

そのため、使用者には「休業手当」の支払い義務も発生しません。

但し、可能な場合は、「休業手当」支払いの配慮があると、従業員の方としては安心です。

また、症状が軽く本人が就業できる場合でも、使用者側の判断で大事を取って休んでもらう判断が推奨されます。

一定期間休業していただくことになりますが、その場合は【使用者の責に帰すべき事由】に該当するため、「休業手当」をお支払いください。

法律上の最低基準は60%以上とされています。

具合が悪く、本人の自主的な休みによる場合は、休業の4日目から「傷病手当金」の支給対象となります。賃金の67%程度が支給額となりますので、こちらの制度についても従業員の方へ周知しましょう。

3.従業員が新型コロナの陽性と発覚して休む場合

新型コロナの陽性が発覚した場合は、保健所の指示に従い休業となります。

感染した本人は就業できない状況であるため、「休業手当」の対象とはなりません。

休業開始から3日間は通常の休み(有給休暇の取得等)と同様に扱います。4日目以降は「傷病手当金」の支給対象となりますので、こちらを利用することが可能です。

ただし、賃金の67%程度までしか支給されませんので、通常の有給休暇を利用していただく選択も周知しましょう。

また、コロナの陽性者が発生した場合は、お店や会社自体も休業となるため、その他の健康な従業員の方については「休業手当」をご検討ください。

法令に基づく休業になるため、使用者の責めに帰すべき理由でないと判断されれば「休業手当」の支払い義務が発生しない可能性があります。

但し、使用者が他に労働機会を生み出す努力をしているかどうかは問われます。

直ちに、「休業手当」の支払い義務が無くなるものではないことにご注意ください。

4.従業員が濃厚接触者であることが発覚して休む場合

濃厚接触者となった従業員の方には、一定期間、自宅待機をしてもらう必要があります。

社会通念上、濃厚接触者は就業ができない人にあたり、使用者の責に帰すべき事由ではないため、「休業手当」の支払い義務は発生しません。

但し、この場合も「休業手当」をご検討いただくと従業員の方としては安心です。

 

5.同居家族が新型コロナと疑われる症状により休む場合

従業員本人は就業できる状態でありますが、感染のリスクを考え、家族の疑わしい症状が治まるまでは、休業してもらうことが推奨されます。

この場合は使用者の責に帰すべき事由に該当するため、「休業手当」の対象となります。

6.小学校等の休業による影響で従業員が休む場合

「小学校休業等対応助成金」に準じた対応が推奨されます。

臨時休校やお子さんの感染で休む必要がある場合が該当します。

フリーランス・個人事業主の方は、下記を参考にしてください。

同じ対象期間の中で、「雇用調整助成金」と「小学校休業等対応助成金」が助成されることはあります。

但し、同日にいづれも該当することは考えづらいと言えます。

子どもの感染で休む必要が生じた従業員の方には「小学校休業等対応助成金」の利用が推奨されます。

こちらも上限日額は同じですが、助成率が100%となります。

資金繰りが困難な場合に使うべき制度

「雇用調整助成金」を活用したとしても、国から助成金が支給される前に、従業員へ休業手当で賃金を支払う必要が生じます。

そこで活用すべきなのが無担保・無利子の融資制度です。

また、前年同月比で売上が50%以上減少した企業には「持続化給付金」が用意されました。こちらは中小企業が200万円、個人事業主が100万円を受け取れる制度です。(売上の減少分が上限となります。)

まとめ

中小企業は「雇用調整助成金」により、従業員の「休業手当」の大部分が支援されます。

特に山形県の事業主の方であれば、県独自の対策により、助成率100%となります。(但し、上限あり)

また、煩雑な助成金申請を社労士に代行依頼した場合の経費も、県が補助する方針です。

従業員の人数や固定費の支出が多いほど、目の前の資金繰りは大変な状況かと思いますが、制度を活用することで、可能な限り解雇をすることなく苦難を乗り越えましょう。

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