新型コロナウイルスにおける企業の対応について

新型コロナウイルスにおける企業の対応について

新型コロナウイルスにより、経営者の皆様・労務人事ご担当の皆様におかれましても、対応に追われていることと思います。

そんな中、厚生労働省からは、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)も公開され、随時更新されています。

ここでは、社労士の視点から内容をいくつか整理してお伝えしてまいります。

企業が検討すべきこと

まずはじめに企業が検討すべき項目について、あらためて見ていきましょう。

主に「衛生対策」「柔軟な働き方」「休暇」の3点が挙げられます。

使用者には、労働者の安全に配慮する義務があるため、安全に仕事ができるよう配慮しなければなりません。

1:衛生対策

社内の衛生対策、指導内容に問題がないか確認しましょう。

どの事業所でもやるべきこととしては、下記が挙げられます。

  • 労働者の健康状態を把握する
  • 咳エチケットの周知
  • マスクを配布
  • アルコール除菌を用意(手指の消毒、共有設備・備品の消毒)
  • 換気をする(2~3時間ごと)

市民向けに東北医科薬科大学が公開した感染症予防ハンドブックも参考にご覧ください。

2:柔軟な働き方

働き方を調整できないか検討しましょう。

主なものは下記2点です。

  • 在宅勤務(テレワーク)
  • 時差出勤

在宅勤務(テレワーク)の実施は、労働時間の管理方法もセットで検討する必要があります。

特に都内の方は、満員電車の時間帯を避けるため、時差出勤が推奨されます。

フレックスタイム制を導入することで、出社・退社時間を労働者に選択させる働き方が可能です。

3:休暇・休業

労働者や家族の状況に合わせて、休暇取得について協議しましょう。

また、取引先の影響からやむを得ず事業の休止判断をするかどうかも起こりえます。

考えるべきケースは下記が主なものです。

1:コロナ感染者

2:症状に疑いがある者

3:事業の休止により休ませる

4:子どもの面倒を見る者

ケースによって、注意すべき点があるので、次で見ていきましょう。

労働者を休ませる場合

労働者を休ませる場合は、前述したように下記4つのパターンが挙げられます。

1:コロナ感染者

2:症状に疑いがある者

3:事業の休止により休ませる

4:子どもの面倒を見る者

1:コロナ感染者

コロナ感染が発覚した労働者は、迷わずすぐに休ませましょう。

会社の指示で休ませた場合であっても、「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しません。

逆に、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合は、休業期間中の休業手当(平均賃金の60%以上)を支払わなければならないとされています。

また、コロナに限らずインフルエンザなどの場合もそうですが、休業の4日目からは健康保険から【傷病手当金】が労働者に支給されます。必要な手続きをしてあげましょう。

2:症状に疑いがある者

症状に疑いのある労働者には「帰国者・接触者相談センター」へ相談してもらいます。

相談の結果を踏まえ、職務の継続が可能であったとしても、使用者の判断で休業させる場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはます。

つまり、この場合は休業手当(平均賃金の60%以上)を支払わなければならないとされています。

尚、症状に疑いがある状態は下記の症状で判断します。

・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)

・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合 高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方

・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日程度続く場合 ・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

引用:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について|問28 熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか?|厚生労働省

3:事業の休止により休ませる

労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益を回避するように努力することが大切です。

努力不足の場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当の支払いが必要となります。

但し、不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務は発生しないとされています。

例として下記の通り示されています。

具体的には、例えば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う事業の休止である場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。

引用:新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)<事業の休止に伴う休業>|問5 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。|厚生労働省

4:子どもの面倒を見る者

コロナにより臨時休校が決まりました。

これにより、子どもの面倒を見るために、やむを得ず会社を休む必要がある労働者の方も出てきます。

労使間で有給の使用などを協議してもらいつつ、国から発表された助成金制度の活用も検討しましょう。

詳細は後ほどあらためて触れます。

国からの支援策

1:経営難への支援策

コロナの影響を受けて、事業活動が苦しくなった企業には、国から助成金が用意されています。

雇用調整助成金と呼ばれるものがあり、これが今回さらにコロナ影響である場合の特例措置として、対象企業を拡大しています。

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

引用:新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえこ雇用調整助成金のた特例を追加実施します|厚生労働省

助成金は、下記に対して支給されます。

  • 休業を実施した場合の休業手当
  • 教育訓練を実施した場合の賃金相当額
  • 出向を行った場合の出向元事業主の負担額

*対象労働者1人1日当たり 8,330円が上限です。(令和2年3月1日現在)

また、大企業は負担した額の1/2、中小企業は2/3が支給対象となります。

尚、申請する場合は、計画届を令和2年5月31日までに提出することで申請が認められます。

その他の助成金について

新型コロナを背景に、テレワーク導入・職場意識改善に関する助成金制度の受付期間が延長されています。

詳しくは下記を参考にしてください。

経済産業省の支援策

前述の助成金制度のほか、経済産業省から、企業向けの支援策が公開されています。

無利子・無担保の融資や、税金の納付猶予など。

詳しくは下記よりご確認ください。

2:臨時休校における対応

臨時休校の決定後、子どもを世話する労働者に対して、有給を取得させた場合の助成金制度が発表されました。

ポイントは下記の通りです。

  • 子どもの世話が必要になった従業員が対象
  • 年次有給休暇とは別に有給休暇を与えた場合が対象
  • 全額補償の方針であるが、上限あり(日額8,330円)
  • 中高生と高校生の保護者は対象外
  • 地域の判断で休校にしなかった小学校に通う子どもでも、看病が必要になった保護者は対象
  • 適用期間は2月27日から3月31日

急遽新設した制度であるため申請方法などはこれから決まるようです。

休暇取得について、労働者の方と協議するとともに、休暇させた日については、休暇理由もしっかり管理しておきましょう。

フリーランス・個人事業主の方は、下記を参考にしてください。

厚生労働省からのQ&A

厚生労働省が企業の方向けに、新型コロナウイルスに関するQ&Aを公開しています。

更に詳しいことを確認されたい方は、こちらも参考にしてください。

 

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